㈱大月真珠

愛着持つ人増やしたい

真珠の生産から加工、販売まで一貫して手がける。国産アコヤ真珠のうち品質の高い一級品の約４割を取り扱うなどシェアトップを誇り、長年、業界をけん引してきた。

若者のジュエリー離れをどう見るか。

「日本のジュエリー文化は、資産的価値の面からも生活と密接な関係にあった欧米に比べて歴史が浅く、普段から身に着ける文化はあまり定着していません。現在流行しているファストファッションとは感覚的に合わないのでは、という危惧もあります」　「日本では着けて行く場も少ない。親の影響も大きいと思います。今の40代くらいからは、憧れから真珠を身に着けたい、という感覚も薄れている。ジュエリーへの興味や欲求は人によっても違い、こちら側からのアプローチも必要です」

アプローチの方法は。

「成人式や冠婚葬祭など人生の節目をきっかけに、真珠を着けてみようかなと思ってもらえれば。簡単に手に入るというよりは、憧れの商品であってほしい。ターゲットは、20代後半くらいからをイメージしています。真珠のイメージを大切にし、学生の皆さんに、10年後に欲しいと思ってもらえるような商品づくりをしています」

業界のけん引役としての役割も重要だ。

「真珠は養殖から商品化まで最低3年以上かかり、自然相手なので生産の調整も難しい。常にリスクがあります。生産者が真珠をつくり続けられるよう、需要が少ないときは買い支えするなどして、需給を安定させるのがわれわれの役割です。需要は圧倒的に海外が多いですが、国内でも憧れや愛着を持つ人がもっと増えてほしいですね」
（まとめ・赤松沙和）

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