キング醸造㈱

伝統調味料で業界けん引

「日の出」ブランドのみりんや料理酒などで知られ、業界をけん引。伝統の醸造調味料で家庭の味を支える。

商品開発の秘訣（ひけつ）は。

「ニッチ商品で、生活者に身近なところで面白いことをやる。そんなブランドづくりを意識しています。例えば（みりん風調味料の）『日の出新味料』。3代目の社長、私の祖父が取引先の灘生協（現コープこうべ）さんなどから当時、取得が厳しかった酒の販売免許がなくても売れるみりんが欲しいと言われてつくりました。他企業にない商品だから成功しました」

環境に配慮も。

「パック酒を包装する透明フィルムを業界でいち早く外しました。製造段階の環境負荷を減らすとともに、中身に関係なくフィルムが破れると返品されるリスクも解消できました。ペットボトルの軽量化や商品の鉄道輸送も進めています」

業界の今後は。

「料理に簡便性が求められ、基礎調味料の使用量は減っていく。その中で、麺つゆや冷凍食品メーカーにみりんを買ってもらい、全体のパイを確保しています。一方で、付加価値の向上も追求。スーパーのヤマダストアーさんと共同開発した水にも原材料にもこだわった本みりんの売上は期待以上でした。健康志向の調味料『甘みとコクの糖質ゼロ』も好調です」

求める人材は。

「素直で真面目な人です。一般の生活者が何を考えているか、アンテナを張ってほしいですね。これからは若い方の感覚を大事にしたい。若い世代へのＰＲには、商品棚でどんな商品が目立つかなど、従来と違った感性が必要ですから」
(まとめ・大盛周平)

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