兵庫県内の地方の企業や地方創生に取り組む自治体の思いや活動に触れ、地域の魅力や可能性を体感し、その魅力を発信する「地方が面白くなる大学ゼミツアー~福崎編~」を2020年1月31日に開催しました。甲南大学(西村ゼミ)の2,3年生9人が参加し、福崎町の魅力をレポートにまとめました!
取締役
井垣 和子 氏
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株式会社PAGEは福崎町から委託され、2つの文化財の活用などを通して町の活性化に取り組んでいる。まちづくりにあたっての広告塔は、福崎町に生まれ、日本の民俗学を確立した柳田國男だ。そこで、町のコンセプトを「古きを大切に、新しい暮らしを自由に学び作る町」にした。
文化財の一つは江戸中期に建てられた県指定重要文化財「大庄屋三木家住宅」。柳田は11歳のころ三木家に預けられ、ここにあった膨大な蔵書を読みふけり、自身の礎を築いたと後に書いている。私たちはここを「古民家ブックホテル」というテーマで宿づくりを進めている。もう一つの建物は大正時代に建てられた国の登録文化財「旧辻川郵便局」で、1階をブックカフェ、2階に客室を設ける。2つの建物を一体で運営する。
これまで文化財は保存が主だったが、人口減少社会の中で維持管理も難しくなってきている。昨年4月に文化財保護法が改正され、保存から活用へと法の理念が大きく変わった。三木家住宅がホテルとしてオープンすれば、文化財として全国初の活用事例となる。ここに滞在することで、地域の歴史を感じたり、大庄屋の暮らしを味わったり、新築のホテルでは出来ない体験ができる。文化財の活用を通し、地域の観光に寄与していきたい。
団体概要 | 神戸新聞社と古民家の活用に取り組む一般社団法人ノオト(篠山市)が共同出資し、2018年12月に設立。福崎町では文化財の活用のほか、2カ所の観光交流センターを運営し、地域の情報発信やコミュニティ作りにも取り組んでいる。 |
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Webサイト | https://page-hyogo.jp/ |
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地域振興課 課長補佐
小川 知男 氏
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福崎町は以前、兵庫県で観光客が来ないワースト3位だった。2013年、当時の町長から「公園の池から河童を出しなさい」と指示された。町長の意図はゆるキャラの河童を出すことだと分かったが、どうせやるなら“ウケるもの”をと、気持ちの悪い河童を作った。非常に怒られたが、メディアに取り上げられ大勢の人が見にくるようになった。妖怪の造形に手応えを感じ「全国妖怪造形コンテスト」、続いて「妖怪ベンチグランプリ」を企画した。
人が来るだけでは地域にお金は落ちない。「かっぱカレー」や河童、天狗のプラモデルを販売。妖怪ベンチを町内の各店舗に設置し、店の売上げにつながるようにした。Googleの画像検索に福崎町の河童が出てくるなど、広く認知されるようになった。当初、反対してきた人たちも結果を出す中で味方になった。
誰かがやるのを待つ人ではなく、熱い向上心を持って全力で取り組むのが大事。必要なのは、現状を打破するためにいろんなプランが出せる「創造力」と、ものを見聞きしたときに、これは使えるという気づきが生まれる「観察力」、物事の展開から結末まで自分の頭でストーリーを組める「想像力」です。自分の引き出しを増やし、経験値を積み上げ、味のある人間になってください。
団体概要 | 福崎町は兵庫県の中央部からやや南に位置し、南と西を姫路市、東は加西市、北は市川町に接する。人口は約1万9千人。柳田國男の著作「遠野物語」では赤色の河童が登場する。2014年、岩手県遠野市と友好都市提携を結んでいる。 |
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Webサイト | https://www.town.fukusaki.hyogo.jp/ |
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