Mラボ課題解決ラボ 2016

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中小企業と大学生の就職マッチングを様々な事業を通して行う『Mラボ』の中核事業『課題解決ラボ』(兵庫県、神戸新聞社主催)の公開プレゼン大会を、10月29日(土)、神戸ハーバーランドにて開催しました。

『課題解決ラボ』は、新商品開発やマーケティング戦略など中小企業が抱える様々な経営課題を、大学生がゼミの専門性をいかし、学生の視点で解決を目指す事業です。

製造業、サービス業など兵庫県内10企業から出された課題について、調査・研究を進めてきた10大学、17ゼミ、約240名の学生が20チームに分かれ研究成果を発表し、優秀チームを表彰しました。

審査結果

グランプリ

甲南大学経営学部 西村順二ゼミ(研究企業:TAT)
「ネイルの新価値創造によるネイル産業の活性化実現 ~ネイル産業における繋がりの構築」

「就活ネイル」で新たな商機
清潔感ある爪で自信も磨く

TATは1998年に創業したマニキュアや人工爪などネイル商品の専門商社で、プロ向け商品は売上高トップを誇り、海外にも販売拠点を構える。爪を美しく飾るネイルアートだけでなく、スポーツ選手の爪を保護するマニキュア、認知症患者向けの連絡先QRコード入りネイルシールなど、さまざまなニーズを満たす研究開発を進めている。
西村ゼミは「ネイル市場全体の発展に向け新しい価値と文化を創造する」との経営理念に着目。ネイルの普及率は低く、市場も既に成熟化していて、今後大きな成長が見込めないと分析し、おしゃれのためのネイルアートとは別の新しい価値としてシンプルな「就活ネイル」を提案した。
手法としては、19企業の人事担当対象の「企業目線」、甲南大学3、4年生対象の「ユーザー目線」と2種のアンケートを実施。企業側は「常識として就職活動の際にネイルをするものではない」と感じながらも「清潔感のある爪は好印象」と感じ、一方で学生側は「ネイルは自信アップにつながるツール」ととらえていることが分かった。
そこで、消費者の心理的内面を考慮した「S―O―Rモデル」(内部構造明示型モデル)にあてはめるなどして再定義。全国で年間18・5万人と推定される「就職活動に不安を持つ女子就活生」をターゲットに、ピンクネイルなど4種の低価格な「就活ネイル」を提案。「合同説明会にブースを設けて体験、アンケート記入してもらうことで普及につながる」とした。

ゼミ代表・榮颯馬(さかえそうま)さんの話

企業へのアンケートから『就職活動にネイルは不要』ととらえていることが分かったときは、方向性が見えなくなって気持ちが折れかけたが、利用者目線で提案しようと方向性を転じた。独自性に富んだ点を評価してもらえたと思う。対象企業から多くの協力をいただいて仕上がったプランなので、感謝の気持ちでいっぱいです

TAT・高野芳樹取締役副社長の話

今回の甲南大・西村ゼミの提案は、わが社の経営理念やビジョンに沿った素晴らしい内容なだけでなく、とても実現性の高い提案でしたので「就活ネイル」をすぐにでも形にしようと思います。グランプリが受賞できたことをわがことのようにうれしく思います。学生が皆、何度となく会社を訪れ、課題解決に真摯(しんし)に取り組んだ結果だと思います

準グランプリ

神戸大学経営学部 南知惠子ゼミ(研究企業:洸陽電機)
「そこの奥さん、節約しませんか?」

お試し契約で安さ証明
差額の試算表を郵送

洸陽電機は電気工事会社として創業し、今年4月の電力小売り自由化を受けて電力事業に進出、急成長中の企業だ。
一般家庭が洸陽電機に乗り換えた場合の年間節約額は約5万円にも上るが、安い電力を求めているにも関わらず新電力に乗り換えた家庭が3%にとどまると現状分析。「なぜ乗り換えないのか」「どこでつまずいているのか」の疑問をテーマに、家計管理者へアンケートを行い、乗り換えていない人の9割が「乗り換えたいと思っていない」と答え、新電力にニーズがないことが分かった。
そこで洸陽電機の強みである安さを生かすため「節約志向のある主婦」をターゲットに「新電力」ではなく「節約ツール」として販売促進することを提案した。
具体的には、主婦層に人気の高い電子チラシサービス上で「1カ月間お試し契約コンテンツ」を提供。本当に安くなるのかという利用者の不安を払拭(ふっしょく)するため、試用期間後半に前契約先と比較した試算表を郵送▽継続確認を行い、継続しない顧客には顧客の面倒さを解消するため元の電力会社との再契約も代行―と交換コストの解消も提言した。

3位

関西学院大学商学部 川端基夫ゼミ(研究企業:ファミリア)
「ファミリアが世界で愛されるために~中国人に対するブランド価値創造」

出店せず海外顧客獲得

少子高齢化や海外ブランド参入でベビー・子ども服市場の競争が激化する中、在日、訪日数ともに最多の中国人を新規顧客のターゲットに選んだ。
中国人へのアンケートやヒアリング調査から、知名度はあるが魅力が伝わっていないことが判明した。一方で ファミリアと中国人富裕層には「高品質」を重視し「教育」に関心も高いという共通点がある。そこで、西宮市と東京都で運営する保育事業を活用し、子どもが「中国人向けプリスクール体験」に参加する間にママがロングセラー商品の「デニムバッグ手作り体験」を行う「母子対象イベント」を一例として提案した。
体験内容を会員制交流サイト(SNS)で発信することを参加条件にすれば、興味を持った母国の中国人も旅行パッケージで訪日してイベント参加できる「日本にいるままマーケティング」。これは「日本にいながら」と「日本にいるママ」を掛け合わせたキャッチフレーズで、リスクやコストのかかる海外出店をしなくても新規顧客の獲得が可能。中国以外の国にも対応でき、世界にファンが広まると提案した。

審査員特別賞

武庫川女子大学生活環境学部 赤岡仁之ゼミ(研究企業:コーベベビー)
「リネンサプライ市場の可能性とそのマーケティング戦略」

布製美容パックで新市場

コーベベビーは病院や介護施設などで使うタオル類をクリーニングし、再び貸し出す「リネンサプライヤー」として発展してきたが、アンケート調査から利用者がコーベベビーのシーツや布おむつだと認識せずに使用していることが分かった。
売り上げの99・9%が「BtoB(企業向け)」で、「BtoC(消費者向け)」が0・1%と極端に小さいことに着目。産婦人科や介護福祉施設など現状の「BtoB」で関係の深い子育て予備軍(20代)と高齢者介護予備軍(50代)の女性をターゲットに「BtoC」市場の開拓を考えた。
具体的には「ご褒美(ほうび)」と「エコ」をテーマに、週1回の利用を目安とした月額3980円の高価格・高品質な布製美容パック「エコットン」を提案。高級感漂う集配用バッグも学生らで試作した。高度な洗濯技術や既存の流通網を利用するなど、経営資源を生かしつつ、相手先ブランドによる生産(OEM)で製造。インターネットを通じて、各年代に合った手法で販売促進することを提案した。

企業10社、10大学・17ゼミの約240名(20チーム)が参加!

Mラボ課題解決ラボ2016 審査員

審査委員長

神戸大学大学院経営学研究科 教授

原 拓志

神戸大学経営学部卒。企業勤務を経て1993年神戸大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。神戸大学経営学部助手、助教授を経て2004年より現職。2001年エディンバラ大学でPhD取得。専攻は工業経営、技術経営。組織学会評議員、企業家研究フォーラム副会長。主著はInnovation in the Pharmaceutical Industry(2003, Edward Elgar)など。
審査委員

流通科学大学商学部 教授

清水 信年

神戸大学経営学部卒業、同大学院経営学研究科博士課程修了、博士(商学)。奈良大学社会学部専任講師、流通科学大学商学部専任講師・准教授を経て2011年より現職。同年から、小売業での人材育成を目的として新設された商学部リテールマネジメントコース長を務める。専門はマーケティング論、製品開発論、リテール・マネジメント論。
審査委員

アシックス グローバル法務・コンプライアンス統括部
統括部長付 兼 ダイバーシティサブリーダー

吉川 美奈子

1991年ドイツ銀行入行。99年よりP&Gでマーケティング、広報、CSRに従事。P&Gシンガポールでアジア・オセアニア地域のヘルスケアBrand PRマネージャーを経て、2011年アシックスへ。グローバル法務・コンプライアンス統括部CSR・サステナビリティ部長、グローバル広報室長を経て現職。

審査委員

博報堂 アクティベーション企画局 アクティベーション戦略部
部長

永川 智也

立命館大学心理学部卒。㈱サイバーエージェント、ヤフー㈱などにて、テレビ報道ディレクター、メディアプランナー、新規プロジェクトプロデューサーを経て2008年に博報堂入社。通信、流通、製薬、食品、化粧品、メディア企業などのコミュニケーション活動を支援。現在も得意先企業のマーケティング戦略の立案をしつつ自社の新規商材や事業開発を担当。経営学修士。
審査委員

バリューマネジメント株式会社 代表取締役

他力野 淳

2005 年バリューマネジメント株式会社設立、代表取締役に就任。文化財など伝統的建造物、行政の遊休施設の修復運用や、ホテルや旅館、結婚式場などの施設再生を行う。「施設再生から地域を活性化に繋げ、日本独自の文化を紡ぐ」がテーマ。グローバル起業家団体 EO OSAKA(Entrepreneurs' Organization)元会長。地域資産活用協議会 Opera副会長。婚礼業界活性化組織 一般社団法人次世代ブライダル協議会会長。
審査委員

神戸大学大学院経営学研究科 准教授
(Mラボ課題解決ラボ実行委員)

森村 文一

立命館大学経済学部卒業、神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了、博士(商学)。京都産業大学経営学部助教を経て、2014年より現職。専門は、マーケティング論、リテール・マーケティング論、消費者行動論。
審査委員

未来教育設計 代表取締役(Mラボ課題解決ラボ実行委員)

吉住 裕子

(株)住友銀行、(株)JDL、三喜産業(株)等に勤務した後、1999年に独立し、2005年に㈲未来教育設計を設立。日本初のプレインキュベーション施設の立ち上げや経済産業省後援ドリームゲートの初代プロデューサーを務めるなど、新規事業立ち上げ支援を専門とする中小企業診断士。アントレプレナーシップをベースにした就業教育やビジネス人財育成分野でも活躍中。